思っていること

 

 

松本技術専門校で木工の基礎を勉強して実家に帰って来た時、27歳にして初めて自分の祖父が建具職人だったことを聞いて、”だから自分も物作りがしたかったんだ”と改めて思い早17年。なんとか自分の作業場が出来て、独立することが出来ました。

 

 

古い家具を捨てては新しい家具を買う、という消費する文化よりも、古い家具を直しながら使う、循環する家具文化が定着して欲しいと願います。

無垢の家具は買う時は少々値段が高いかもしれませんが、しっかりと作られた家具であれば直しながらずっと使うことが出来ると考えています。

 

 

デザインは奇をてらわず、構造や組み方はしっかりと、シンプルで長持ちする家具作りを常に心がけています。国内外問わず昔の家具のデザインや構造、それに住まい方には何らかの理由があってそのようなカタチになっていると思いますし、無駄がありません。

そこに少しだけデザインを加えたモノが、今の時代に合っているのでは、と思います。

 

 

使用する材料は主に、ナラ、ウォルナット、チェリー等の北米産広葉樹ですが、天竜杉、天竜桧なども最近積極的に使うようにしています。

それから今までは家具用材としては捨てられてきた「節」や「割れ」などの欠点についても、「欠点」でなく「意匠」となるように、適材適所で使用しておりますので、「節」「割れ」についてのご理解もお願い致します。

 

 

無垢材は合板と違って、家具(製品)になっても呼吸します。呼吸するということは生きているということで、動きがあるということです。乾燥した冬や湿気のある梅雨時には、木の呼吸により伸びたり縮んだり、反り返ったりします。その様な動きを吸収できるよう日々考えてはおりますが、時に予想外の動きをしてしまいます。そんな時にも誠意を持って対応させていただきますのでご安心下さい。